トーク
ミラ・ツッカーマン
120分
登壇者 使用言語 :国際手話
通訳・文字起こし:日本手話・日本語(音声/文字)・英語(音声/文字)
ノルウェー政府の支援を受ける、ろう者のための公立劇場「劇団マヌ」。今から30年前、この劇場はまだ存在せず、道のりは決して平坦ではなかった。その誕生の背景には、演劇への深い情熱を持つ多くのろう者たちの存在があった。演出家ミラ・ツッカーマンは、劇場創設までの歩み、数々の困難、そしてノルウェーろう者協会とともに築いてきた数々の成果について語る。コメディ、混乱、失敗、そして成功を重ねながら、劇団マヌは成長を遂げ、今では数々の賞に輝く国際的な劇場へと発展を遂げた。その歩みは、「夢を持ち、全てをかけて取り組めば、目標にたどり着ける」という証でもある。
ミラ・ツッカーマン
演出家
1982年、舞台『愛は静けさの中に(Children of a Lesser God)』でサラ・ノーマン役を演じたことをきっかけに注目を集めたミラ・ツッカーマンは、その後、ノルウェー唯一のプロ手話劇団「劇団マヌ」を設立。2001年の創設以来、20年以上にわたり芸術監督(2001-2021)を務め、劇団は資金面・上演面ともに飛躍的な成長を遂げた。テアター・マヌはこれまでに数々の演劇賞にノミネート・受賞しており、特に2011年の『I Was Fritz Moen』では、1970年代にノルウェーで殺人の冤罪を着せられたろう者フリッツ・モーエンの実話をもとにした作品として「年間最優秀舞台作品賞」を受賞。2018年には、ナチス・ドイツによる障害者迫害を描いたドキュメンタリー・ドラマ『Crying Hands』を上演。第二次世界大戦前後におけるろう者・障害者の体験を、実際の生存者たちへのビデオインタビューをもとに構成し、観客に優生学の非人道性とその残虐な実験の実態を伝える。この作品はノルウェー国内および北米でもツアー上演され、NRK(ノルウェー国営放送)との協力により映像化されている。